AXE ZANMAI

2000-02-27

三度めのバイーア

 午後2時、空港到着。あいにくの雨。じっとりとした熱気に包まれ、楽園到着を実感。
空港内はいつもより多くの人で賑わっている。カルナヴァル前だからだろう。ロビーにい
くつかのブロッコが宣伝ブースを構えている。ブロッコに参加するための申し込み窓口に
なっているようだ。
 
 去年の写真がたくさん展示されている。受付の女の子がにっこり微笑んでくれたが、
片道40時間のフライトのせいでいささかぐったりしている僕は、先を急いだ。
 
 バス停のひさしの下で雨垂れを避けながら待つこと約30分、セントロ行きのバスが
やってきた。今回はボストンバッグ持参なので車体横のトランクに積み込まなければ
ならない。裸足の少年二人が奪うようにして僕のバッグを押し込み、チップをねだる。
ちょっと迷って、50センターボあげた。笑顔で手を振る少年たちをあとに、出発。
 前回までと異なり、相棒のミヤケ君がいない。そのため緊張しているのか、バーハ
までの道のりがやけに長く感じられた。
 
 現地在住の友人であるOさんが予約してくれていたホテル・ベラ・バーハに投宿し
た。カルナヴァル直前の到着ということで相当の出費を覚悟していたのだが、ここは
普段は一日15ヘアウという安さ。エアコンもテレビもない狭い部屋だが、どうせ寝る
時以外は用がない僕にはぴったりだ。
 もっとも、カルナヴァル期間中は一日50ヘアウにまで値上がりするのだが、それは
どこのホテルも同じこと。もし、どこも満杯だったら、路上で夜明かしすることさえ
覚悟していたのだ。期間中、ずっと部屋が確保されているというだけで充分だ。
 
 ここを選んだ理由の一つは、中国人のホベルト・チャンさんが経営しているという
ことだ。僕はポルトガル語はほんの片言しかしゃべれないし、 英語も大してうまく
ない。しかし、むかし台湾に住んでいたこともあって、中国語ならそこそこ話せる。
そんな僕にとってここは非常にありがたい環境なのである。ホベルトさんも中国語で
挨拶する僕を喜んで迎えてくれた。
 彼は戦後、単身で上海を脱出、様々な職につきつつ各地を転々としたのち、ようやく
ここに落ち着いたのだそうだ。話を聞けば面白そうだったが、なにしろ長旅で疲れて
いたので、チェックインを済ませるとすぐにシャワーを浴び、昼寝を決め込んだ。
 
 目覚めたのは夜の十時頃。散歩がてら、夕食を食べるところを探しに出かける。
 
 バーハのシンボルである灯台のふもとで、若い男に時間を聞かれた。なにか、嫌な
感じがした。案の定、奴は「ビールを飲みたいから金をくれ」とねだってきた。周り
に人陰もないし、まだ、旅の感覚に慣れていない。深入りするのは避けて立ち去る。
 
 懐かしのバイーアなのに、どこかチグハグな感じがして馴染めないのがいらだたしい。
 
 海岸沿いのレストランでムケカを注文したが、あまりの量の多さに食べきれず、残
してしまう。一人旅は、こういう時に困る。
 
 こんなふうに、なんとなく心寂しい思いで一日めを終えた。あれだけ昼寝したという
のに、ベッドに入るとすぐに熟睡できた。

2000年2月27日


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